こんにちは。杉本です。
前回は「伝え方の重要性」についてお話しました。
ひょっとしたら、前回の記事を読まれた方の中には、「なんでこっちばかりが努力しないといけないの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
そうですよね、片方だけがずーっと頑張っている状態はあまり長く続きません。
コミュニケーションは話す人と聴く人で成り立っています。
伝えるために言葉遣いや態度などを工夫をするように、話の受け取り方も工夫ができます。
実は、話を受け取ることは、伝えることよりも難しいです。
・いつ話しかけられるか、どんな内容の話か、心の準備ができていない状態で始まる。
・理解するには記憶力や想像力を働かせる必要があるので、エネルギーを消耗する。
・聞くという行為は受け身なので、無意識でいると雑音のように聞き流してしまう。
では、「聞く」と「聴く」の違いは何でしょうか?
どちらも一見すると同じように見えますが、コミュニケーションにおいてこの差は大きく異なります。
・聞く(表面上の相槌を打って心では拒否している、無関心)
・聴く(自分にとって耳が痛い内容でも、相手の考えや思いを受け取る)
特に話し合いなどの場合、無意識でいるとどうしても防御態勢に入ってしまい、「聞く」人が多いです。
では、「聞く」とは一体どういう状態でしょうか?
まず、「聞く」人は、自分の身を守ろうとしているので、相手の話をちゃんと受け取れません。
自分にとって都合のいいように歪めて受け取ります。
相手が話している間も、意識は次に自分が何を話すかに集中しています。
(このとき攻撃されたと受け取った場合、やり返す言葉を考えています)
相手の話を受け取っていないので、返事がズレていて、会話が噛み合いません。
やり返す言葉が返ってきた場合、うまく受け取れなければ、またやり返すという、ケンカが始まってしまいます。
このように、伝え方と受け取り方を意識的に行わなければ、お互いに傷を付け合ってエネルギーを消耗させるだけで終わってしまいます。
そして話し合いの失敗経験を積み重ねると、どうせ上手くいかないという思い込みが強化されて、さらに難易度が上がります。
最終的に、思いや考えを伝えないようになり、受け取らないようになり……。
お互いを理解できなくなると改善ができなくなるので、ストレスは溜まり続け、どんどん状況は悪化していきます。
では、どうすれば、思いや考えを受け取れるようになるのでしょうか?
意識するだけでコミュニケーションしやすくなる(ストレスが溜まりにくくなる)ポイントがあります。
・どのような表現方法(話し方や態度)であれ、伝えようとしている本質的な内容を意識して受け取る。
・同じ言葉や表現を使っていても認識のズレがあり、純度100%の理解ができることはない。
・相手が伝え方を間違えている可能性があり、そのことに本人も気付いていないことがある。
コミュニケーションは双方の思いやりで成り立ちます。
どうすれば、相手に伝わるかな?
どうすれば、相手の気持ちを受け取れるかな?
どうすれば、お互いにとってベストな方法があるかな?
伝え方や受け取り方は、うまくできるようになると、いろんな場面で活かすことができます。
ストレスを溜めにくくなるだけではなく、気持ちよく過ごせることが増えるので、周りの人もその分幸せになります。
周りの人が幸せになると、更にその周りの人が幸せになり、良い循環が生まれ……。
些細なこと、自分だけのことと思っていても、その影響力は想像を遥かに超えます。
自分のできるタイミングで構いません。
自分も、相手も、周りの人も、まだ出会っていない人も、気持ちの良いコミュニケーションができるように。
ほんの少しの勇気と、ちょっとした意識で、小さな幸せの輪を広げていきませんか?